留袖裏地の古い黄色いシミの染み抜き

「長い間タンスに仕舞い込んで見ていなかった留袖の裏地に茶色くシミが出来
てしまった」との相談です。


着物の 保管中にできてしまう古い黄色いシミには原因があります。

 ①湿気が原因
タンスの中は空気が通らず湿気がこもりカビが原因で黄色いシミが星のように点々とできます。酷くなると着物の広範囲にできます。
 ②汗や皮脂が原因
衿元や袖口など直接肌に触れる部分は汗をかかなくても皮脂汚れがつきます。
そのまま仕舞い込んで数年経つと黄色くシミになります。
 ③①②以外、食べこぼしなどが原因
食べこぼしもそのままにしておくと茶色く変色してしまいます。
食べ物の汁が着物にこぼれても地色より薄い場合は乾くと分からい場合があります。
虫干し後、食べこぼしに気づかずにタンスに仕舞い込んでも時間の経過で茶色く変色します。

留袖ヒヨクの濃い黄色の輪郭がはっきりしている古いシミの染み抜きです。

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 何の シミのかは分かりませんが着ている間に付いた何かが酸化して時間の経過で茶色くなったシミと分かりす。
 分かり易い例としてリンゴの皮を剥いて直ぐの時はキレイなリンゴの実ですが時間が経つと実の表面が茶色くなります。
これは空気に触れてたリンゴの実の酸化が始まり茶色く変色する現象です。
着物の場合も数年の時を経て同じ現象が起こります。

着物の古い茶色のシミも高度な染み抜き技術で落とします。

 ご依頼人は「着物を着た際は、汚れがないか良く見てしっかり虫干しをしてタンスに入れていたのでショックです。」との事です。
着物に付いた無色透明な汚れは乾いてしまえばプロの染み抜き職人でも見つけるのは大変な場合があります。
今回のように白地の正絹に時間が経って酸化した濃い茶色のシミは染み抜きしても薄く残る事がありますが、何度も染み抜きと中和を時間を掛けて繰り返すことでキレイにすることが出来ました。