長期間しまっていた着物をひさしぶりに出してみたら、カビ汚れが!…。
「もう着られないかも」「どうしてこんなことに」と、戸惑いや不安の声を多くいただきます。
実は、カビ汚れは染み抜きの中でも特に難易度の高いもののひとつ。
さらに、繊細な素材を使った着物に付着したカビは、生地を傷めずに落とすのが非常に困難です。
今回ご紹介するのは、まさにそんな状態で保管中にできたカビによる着物の汚れ落とし事例です。
カビの種類や素材の状態を見極め、丁寧な処置を重ねることで、再び安心して着られる状態にまで整えることができました。
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薄緑色の部分にシミがあります。

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裾の部分にも細かい汚れがあります。

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細かい汚れも数が多いと目立ってしまいますね。

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しかし、職人の技術で生地を傷めることなくきれいいにすることが出来ます。

作業後の画像です。職人の技術により、着物を傷めることなく、キレイに蘇らせることが出来ます。
保管中にカビを防ぐ方法
- 定期的な陰干し(虫干し)をする
年に一度〜数回、晴れた乾燥した日に着物を陰干ししましょう。
直射日光は避け、風通しの良い室内で2〜3時間程度広げて湿気を飛ばすのが理想的です。
2. 保管場所は湿気の少ない環境に
できれば桐の箪笥や桐箱を使用すると、調湿効果があり安心です。
押し入れに保管する場合は、すのこや除湿剤を活用し、直接床に置かない工夫をしましょう。
3. クリーニング後に収納する
汗や皮脂汚れが残ったまましまうと、カビの原因になります。
着用後は早めにクリーニングに出し、汚れを落としてから保管することが大切です。
4. 防虫剤・除湿剤の使い方に注意
防虫剤や除湿剤は直接着物に触れないようにし、説明書に従って適切な量を配置してください。異なる種類の防虫剤を併用すると、化学反応を起こすことがあるので避けましょう。
職人からの一言
正しい保管方法を心がけることで、大切な着物を次の世代まで美しいまま受け継ぐことができます。
もしすでにカビが発生してしまった場合でも、素材を見極めた専門的な染み抜きで対応可能です。着物のカビ汚れでお困りの方はぜひ当店へご相談下さい。
